風外窟(ふうがい くつ)

史跡(Historic site)神奈川(Kanagawa)

〒256-0811 神奈川県 小田原市 田島

駐車場:なし。


 

曹洞宗(そうとうしゅう)の奇僧であり、禅画家の風外慧薫(ふうがい えくん)禅師は、田島横穴古墳群(たじま よこあな こふんぐん)に住んでいた時期がある為、穴風外(あなふうがい)とも呼ばれています。

 

 

風外窟への道は二つあります。そのうちの一つ、高速道路の真下にある農道は酷く狭いので、自動車やバイクで入る事はお勧めしません。

 

 

もう一つは、臨済宗・一徳寺(いっとくじ)の近くにある、田島横穴古墳群の入り口です。駐車場は無いので、JR国府津(こうづ)駅付近のコインパーキングを利用しましょう。

 

 

入り口から少し歩いて、沢にかかる石橋を渡ると、12号古墳と看板が見えてきます。

 

 

看板のアップです。

 

 

ここから瓶や壺が発見されたと考えると、何やらロマンを感じます・・・。

 

 

古墳群からの道は短いので、迷う事はまず無いと思いますが、雨が降るとぬかるんで登れなくなる所があります。

 

 

道の途中に七号古墳があります。

 

 

あまり整備されているとは言えない、畑の脇道を歩いて進みます。

 

 

左側に鉄塔が見えてくれば、悪路は終わりです。

 

 

ここから農道に合流します。収穫の時期は農作業用の自動車とすれ違う可能性が高いので、仕事の邪魔にならないように気をつけましょう。

 

 

分岐点の先に作業小屋が見えます。ここは直進してください。

 

 

小屋の少し先からの眺めです。

 

 

この分岐点を左折します。基本、左回りですね。

 

 

この分岐点には、風外洞窟200m→と書いてある看板があります。ここを左折して下り道を歩きます。

 

 

ここにも作業小屋があります。しかし、道が細い・・・。

 

 

ここまでくれば、あと少しです。

 

 

風外窟に到着しました。資料BOXがありますが、2019年に取材した時は施錠されていました。

 

 

この岩窟は古墳時代の末期、七世紀頃に作られた墓跡です。4号、5号、6号古墳と、比較的大きな岩窟が並んでいます。

 

 

一番大きい5号古墳には、風外禅師が使用したと思われる囲炉裏の跡が残っています。

 

 

5号古墳の内部です。左側に立てかけた黒竹の杖は、長さが140cmあります。

 

 

5号古墳の中からの眺めです。何となくですが、風外禅師がここに住んでいた理由が分かった気がします。

 

 

少し離れた所にある7号古墳は治療窟(ちりょう くつ)と呼ばれていて、内部には小石が敷き詰められています。この小石を持ち帰ると風邪が治ると言い伝えられており、治ったら二つにして返す風習があったそうです。

 

 

風外禅師は、当時の小田原藩主、稲葉正則(いなば まさのり)と交流がありました。その為、正則公が開基となった黄檗宗の禅寺・弘福寺(こうふくじ)には、風外禅師が彫刻した咳の爺婆尊(せき の じじ ばば そん)の石像が安置されています。

 

 

弘福寺(Ko fuku ji)