忍野八海(おしの はっかい)

史跡(Historic site)山梨(Yamanashi)

〒401-0511 山梨県 南都留郡 忍野村 忍草

駐車場:有料駐車場がある。


 

忍野八海では、八つの池と、富士山の展望を楽しめます。

 

 

周辺案内図です。

 

 

忍野八海の北側に、忍野八海浅間神社(おしの はっかい せんげん じんじゃ)があります。またの名を忍草浅間神社(しぼくさ せんげん じんじゃ)と言います。右側の社号標の字が印象的です。

 

 

鳥居の後ろにある御神門(ご しん もん)には、仏教の四天王である持国天(じこく てん)と増長天(ぞうちょう てん)の像が安置されています。かつては仁王門で、運慶作の金剛力士像が睨みを利かせていたそうです。

 

 

本殿(ほんでん)には、御神体の木花咲耶姫命(このはな さくや ひめ の みこと)・鷹飼(たか がい)・犬飼(いぬ かい)の三神坐像が祀られています。ここは100年ほど前まで富士山信仰の拠点の一つであり、忍野八海は登拝前に身を清める場所でした。

 

 

本殿に八つの池の名が書かれた角樽(つのだる)が奉納されていました。角樽は慶事の際に用いる酒の容器です。

 

 

本殿の左側に、武甕槌神(たけ みかづち の かみ)を祀る天狗社(てんぐ しゃ)と、伊勢神宮に遥拝する為の大神宮社(だい じんぐう しゃ)があります。

 

 

天狗社の左側に、素戔嗚命(すさのお の みこと)を祀る八坂神社(やさか じんじゃ)と、薬師如来を祀る薬師堂(やくし どう)があります。

 

 

八坂神社の左側に庚申塔(こうしん とう)があります。江戸時代には中国道教の影響から、一晩寝ないで祭事や宴会をするという行事がありましたが、残念ながら廃れてしまいました。

 

 

少し離れた所に西五社(にし ごしゃ)があります。感謝の気持ちでお参りすると、家内安全の御加護があると言い伝えられています。

 

 

近くに大阪府大阪市の坐摩神社(いかすり じんじゃ)から御祭神を勧請した、坐摩社(いかすり しゃ)もありました。

 

 

本殿の右側に、諏訪神社(すわ じんじゃ)があります。

 

 

境内の西側に、諏訪神社と関係する石碑があります。随分と珍しい形の注連縄ですが、諏訪大社の御神紋である梶(かじ)の注連縄が変化したのかも知れません。

 

 

境内の御神木にも、似たような注連縄が巻かれていました。

 

 

諏訪大社・下社春宮(すわたいしゃ・しもしゃ はるみや)

 

 

忍野八海浅間神社から、忍野八海で最も面積が大きい出口池(でぐち いけ)に向かいます。他の池は北斗七星に例えられていますが、出口池は北極星に例えられています。御祭神は難陀竜王(なんだ りゅうおう)です。

池の反対側に、出口稲荷社(でぐち いなり しゃ)の鳥居があります。

 

 

出口稲荷社の鳥居を近くから。塗料が剥げて、独特の雰囲気を醸し出しています。

 

 

出口稲荷社の本殿を斜めから。

 

 

二番目のお釜池(おかま いけ)です。最も面積の少ない池ですが、湧水量は決して少なくありません。

 

 

お釜池の御祭神は跋難陀竜王(ばつ なんだ りゅうおう)です。

 

 

東叡山(ひがし えいざん)とは、東京・上野の寛永寺(かんえいじ)の事です。

 

 

三番目の抜池(そこぬけ いけ)は、榛の木林資料館(はんのき ばやし しりょうかん)の中にあります。入館料は300円(2019年現在)です。

 

 

入口の建物は二階が展望台になっています。写真の池は底抜池ではありません。

 

 

古民家を改造した資料館です。中では池の古い写真や日本刀などが展示してあります。

 

 

昔の日本家屋は、囲炉裏(いろり)が生活の中心になっていました。

 

 

この古民家は、二階に登る事が出来ます。

 

 

二階からの眺めです。

 

 

資料館の敷地の一番奥に底抜池があります。御祭神は娑伽羅竜王(さがら りゅうおう)です。

 

 

 

湧水の透明度が非常に高い為、まるでニジマスが飛んでいるように見えます。因みに、底抜池で洗い物をすると渦に吸い込まれ、お釜池に浮かび上がるという話があり、二つの池は底が繋がっていると考えられています。

 

 

少し歩いた所に、四番目の銚子池(ちょうし いけ)があります。御祭神は和修吉竜王(わしゅきつ りゅうおう)です。

 

 

中央の青い部分が、銚子池の湧水口です。

 

 

五番目の湧池(わく いけ)です。ここは撮影ポイントとしても有名です。

 

 

湧池を反対側から。御祭神は徳叉迦竜王(とくしゃか りゅうおう)です。

 

 

すぐ側に五番目の濁池(にごり いけ)があります。以前は名前の通り濁った池だったそうですが、現在は水質が向上しています。形状も池と言うより、川に近いです。御祭神は阿那婆達多竜王(あなばだった りゅうおう)です。

 

 

濁池の側に、人口の池である中池(なか いけ)と、水車小屋があります。中池(なか いけ)は忍野八海に含まれていませんが、観光地としては最も人気があります。

 

 

中池は、平日でも観光客で賑わっています。

 

 

水質が悪化する為、池の中にコインを投げ込む事は禁止されています。

 

 

中池の水深は約8メートルもありますが、水底に光るコインを肉眼で確認する事が出来ます。

 

 

七番目の鏡池は、天候に恵まれれば逆さ富士を映し出す水鏡となります。御祭神は摩那斯竜王(まなし りゅうおう)です。

 

 

八番目は菖蒲池(しょうぶ いけ)です。昔は菖蒲が自生していた事から、その名がつきました。御祭神は優鉢羅竜王(うはつら りゅうおう)です。池の手前には八大竜王を祀る石碑が並んでいます。

 

 

富士山は昔から信仰の対象であり、その周辺には青木ヶ原樹海(あおきがはら じゅかい)や、富士五湖(ふじごこ)と呼ばれる大きな湖、噴火の影響で出来た風穴(ふうけつ)などがあります。

剗海神社(せのうみ じんじゃ)