寒山寺(かんざんじ)

寺院 (Temple)東京(Tokyo)

〒198-0064 東京都 青梅市 柚木町  3-764-1

駐車場:澤乃井園と、櫛かんざし美術館に無料駐車場がある。


 

寒山寺は、小沢酒造(おざわ しゅぞう)が運営する清流ガーデン澤乃井園(さわのい えん)の敷地内にあります。中国江蘇省にある同名の寺から、書家・田口米舫氏が釈迦如来像を譲り受け、小沢酒造の社長が土地を提供して建立されたという経緯があります。

 

 

澤乃井園の周辺案内図です。多摩川の対岸に寒山寺があります。

 

 

澤乃井園(さわのい えん)

 

 

多摩川にかかる楓橋(かえでばし)から、寒山寺を望みます。中国・寒山寺の楓橋に肖(あやか)って名づけられたものと思われます。本堂の左下に見える赤い屋根の建物は、鐘楼(しょう ろう)です。

 

 

鐘楼の鐘には鳴鐘偈(めいしょう の げ)が刻まれています。梵鐘を撞く時に「三途(塗)八難 息苦停酸 法界衆生 聞声悟道(さんず はなん そっく じょうさん  ほっかい しゅうじょう もんしょうごどう)」と誦(しょう)します。これは「この鐘の音によって、生きとし生けるものが仏道を悟りますように」という意味です。

 

 

鐘楼の左側に、寒山寺の縁起を刻んだ石碑があります。冒頭の蘇州寒山寺因張・・・と刻まれている所までは読めますが、そこから先は風化していて読めませんでした。

 

 

寒山寺の本堂を、石段から望みます。

 

 

石段の踊り場には石碑があり、西暦700年代に生きた詩人、張継(ちょうけい)のが詠んだ楓橋夜泊(ふうきょうやはく)が刻まれています。

月落ち 烏啼きて 霜天に満つ 江楓 漁火 愁眠に対す 姑蘇城外 寒山寺 夜半の鐘声 客船に到る

(wikipedia)

 

 

本堂の手前に、2人組の奇僧・寒山拾得(かんざん じっとく)の石碑があります。この奇僧コンビは樺の皮をかぶって、大きな木靴を履き、乞食同然の生活をしていましたが、禅の深奥に明るく、多数の道歌を残しています。

中国・寒山寺は、寒山拾得が草庵を結んだ場所と言い伝えられています。

 

 

本堂の門と、扁額を近くから。青梅の寒山寺は、無宗派・無住職・宗教法人資格無しの三無寺です。

 

 

三無寺ではありますが、本堂(中国風に大雄宝殿と呼ぶべきか?)の内部は中国仏教色に満ちています。

 

 

本堂の左側です。個人的には見た事の無い様式だったので、非常に興味深かったです。

 

 

本堂の右側です。中国・寒山寺は臨済宗の寺院ですが、正統後継者の隠元隆琦(いんげん りゅうき)禅師は日本に帰化して、京都に萬福寺(まんぷくじ)を建立しました。

 

 

萬福寺(Man puku ji)

 

 

本堂の天井画です。鐘楼の天井画も見事でしたが、こちらには髑髏の絵がありました。

 

 

中国・寒山寺から譲り受けた、御本尊の釈迦如坐像です。

 

 

堂内の右側に写真が飾られています。現在でも中国・寒山寺から僧侶が参拝に訪れるそうです。

 

 

寒山寺建立当時の小澤酒造当主は、青梅鉄道の社長でもありました。JR青梅線・沢井駅の跨線橋にあるオブジェが寒山寺に似ているのは、その為でしょうか。

 

 

JR沢井駅から少し離れた所に、銘酒・澤乃井の仕込み水が水源地、高水三山(たかみず さんざん)のハイキングコースがあります。三山の一つ、惣岳山の山頂には青渭神社(あおいじんじゃ)の奥宮と、御神水が湧く青渭ノ井(あおい の い)があります。

青梅・青渭神社 奥宮(おうめ・あおい じんじゃ おくのみや)